「全国の壁」
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    準々決勝 対啓光学園

平成16年 4月 4日(日曜) 天候:雨
熊谷ラグビー場 "A"グランド
  12時15分  キックオフ
レフリ:
谷口弘氏

一昨日の盛岡工業戦の勝利の余韻が残る中、全国ベスト4をかけて花園三連覇の王者"啓光学園"に挑む日がきた。このチームになって初めての雨模様が少し気に掛かる。はたしてどんな試合を見せてくれるのか?失うものは何もない。完璧に開き直ってチャレンジして欲しいと思った。

スタジアムの屋根で雨をしのいでいた父母たちも、ゲーム開始10分前にはスタンドの前方に陣を移動した。「選手と一緒に戦うぞ!」。の表れだった。「よーし!いけーっ!。」雨のためか気温も低い。寒くて震えているのか武者震いなのか、膝がガタガタと鳴った。

レフリーの谷口氏は、関東新人大会の深谷高校戦を吹いてくれた今売り出し中のレフリーである。相性はいいかも?などと思っていた。そして笛の音がスタジアムに響き渡った。
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試合が始まった。
1分、自陣ゴール前まで攻められ、からくも逃げるべく蹴ったキックは、鋭い出足の"啓光学園"のチャージにあってしまった。インゴールに転々とするボールを押さえられトライを許した。ゴールも決められた。
得点( 0 対 7 )

3分、敵陣10(メータ)m付近でのマイボール・ラックを凄まじいクリーンアウトからターンオーバーされ、ブラインドを突破され40(メータ)mの独走を許した。
得点( 0 対 14 )

流経柏の選手の様子がおかしい。みんな相手に飲まれてしまっているのかもしれない。自分たちのペースをつかむためには「強烈なタックル」しかない。

「見せてくれー!強烈なタックルだー!」


しかし”啓光学園”は、その凄まじいまでの集散の早さを見せ、流経柏にスキを見せてくれない。タックルを受けても全員が必ずマイボールになる倒れ方を意識し、タックルに入るファーストコンタクトの強さは、まさにチャンピオンチームのそれである。流経柏が得意のラインアウトからのモールドライブを仕掛けても、ボールキャッチャーへのタックルの位置が通常の位置の腰ではなく、おしりに入っていることから動くことができない。さすがだ。すごいチームだと思った。

31分、敵陣ゴール前20(メータ)m付近やや右でPKをもらった。キッカーは冷静に見事に決めた。前半終了までの時間がない時点での得点は、必ず後半の攻撃につながるはずだ。

しかし、この間に二本のトライを追加され前半を
得点( 3 対 26 )で折り返した。


後半、先に点を取って欲しい。最初の10分が、このゲームを決める。流経柏の継続ラグビーがどこまで通用するのかを試して欲しい。そのためにも

「気迫だ!」。
「勝ちたい意識だ!」。
「流経柏のプライドだ!」。
「先輩たちが築いてきた流経柏の全力を見せてくれ!」


       
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後半が始まった。
”啓光学園”は、どうやって試合に勝つかというゲームコントロールの術も身につけていた。この最初の10分でゲームを決めるという意志を感じさせられてしまった。後半の6分間に二本のトライを許してしまった。
得点( 3 対 40 )

 しかし流経柏はあきらめていない。キャプテンを中心に声も出てきた。「返すぞー!りゅうけいー!」。「あきらめるなー!」

9分、敵陣22(メータ)mでPKをもらった。タッチキックで地域をゴール前10(メータ)m付近まで前進させた。さあラインアウトだ。「見せてくれ!ドライブだぞー!」そして流経柏は魅せた。FW全員が「絶対に獲ってやる!」の意識を、絶対に崩れない力の塊となって表現してみせた。

モールが確実にゴールを目がけて動いていく。「押ーせ!。押ーせ!」。応援の父母たちはいっせいに声を上げた。「やったー!」見事なトライだ!FL NO 7がインゴールで押さえた。「よーし、もう一本いくぞー!」。ゴールも決めた!
得点( 10 対 40 )

20分、流経柏は初トライのあと攻めに攻め、敵陣ゴール前に迫って執拗にラインアウトからの攻撃に徹した。数回のPKから、モールは再び動いた。「押せー!」。「押し込めー!」
父母たちの絶叫が響いた。そしてゴール直前で崩れたモールをうまくラックにし、FL NO 7はコーナーフラッグのあるブラインドサイドへ潜ってインゴールへと飛び込んだ!見事なトライだ!
得点( 15 対 40 )

流経柏は、意地を見せた。連続トライを王者”啓光学園”から奪ったのだ!。

「いけるぞー!」。
「もう一本獲れー!」。
「まだまだいけるよー!」。


応援の父母たちは、笑顔ながら、みんな歯を食いしばっている。

しかしこの後、流経柏は”啓光学園”に二本のトライを許し、ノーサイドとなった。
得点( 15 対 52 )が最終のスコアである。

        

強かった。本当に”啓光学園”は強かった。しかし、春のこの時期に全国の力を、それも花園三連覇の力を直接感じることができたことは、必ずいきてくる。”啓光学園”と戦える地位に自分たちの力で勝ち進んできたことを讃えたいと思う。「全国の壁」を感じたことは、チームに新しい「モノサシ」を持ち込んだに違いない。

「おめでとう!。君たちは、全国ベスト8だぞー!」。

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