| 「リベンジ成る!そして・・・!」 |
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観戦記 |
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第52回関東大会Aブロック一回戦
対 正智(ショウチ)深谷高校
平成16年 6月 5日(土曜) 晴れ
茨城県鹿嶋市 卜伝の郷運動公園
多目的球技場
15時00分 キックオフ
レフリー:平林氏
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第52回関東高校ラグビーフットボール大会は、水郷地帯で有名な一画である茨城県鹿嶋市で開催される。昨日の開会式の様子を公式HPで確認し、いよいよその日が来た。新年度の実績から関東の実力校が7つのブロックに四校ずつ配された合計28チームによる大会である。
我らが流経柏は、見事にAブロックに入り、関東のトップ四校で覇を競う大会となった。相手は関東新人大会の準決勝で惜敗した正智(ショウチ)深谷高校である。先々週、流経大ラグビー・フェスティバルの中で関東スーパーリーグの一戦として戦ったばかりであるが、この試合が真の意味でのリベンジ・マッチである。舞台は大きい方がいい。そして「花園」までの、道のりのためにも、この一戦は大きな意味を持ってくる。
気温が選手には暑く感じる。そして風も強い。前後半で風上と風下が完璧に入れ替わる状況である。しかし、グランドは最高の状態だ。仮設スタンドも観戦の我々にとって本当にありがたい。茨城県の大会関係者とボランティアの方々に感謝の意を表したい。
この大会は例年25分ハーフで行われる。たくさんの試合を二つのグランドで消化するためにはやむを得ない。25分ハーフだからこその戦い方を求められると考えた方が観戦者にとっては楽しみなのかもしれない。
もうすぐ試合が始まる。
試合前20分くらいの時間帯から、仮設スタンドから遠目に見える流経柏の練習を眺めていた。監督が精力的にチーム・ディフェンス練習の中心にいる。一糸乱れない練習だ。5分前、チームは円陣を組んだ。キック・オフまでの時間をキチンと守っている。全員が冷静にその時を迎えるまでチームの動きをしている。
キックオフと同時に爆発するために、流経柏の戦士たちはすでに試合を始めているように感じた。
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平林レフリーの笛が鳴った。
流経柏は風下である。正智(ショウチ)深谷のキックオフで試合が始まった。うん?。後半勝負か?。一瞬そう思った。
2分、自陣22(メータ)mラックから正智はBS展開を仕掛けてきた。S・Oの鋭いステップに抜かれてしまった。先制トライを許した。ゴールも成功。
( 0 対 7 )。
緊張はやむを得ない。キックオフボールへの集中が欲しい。
5分、与えたPKから自陣ゴール前5(メータ)mほどまでのタッチキックでピンチを招いた。相手ラインアウトからのモールを押されトライを許した。ゴール成功。
( 0 対 14 )。
5分間で二本ものトライを奪われてしまった。しかし、選手たちの表情に焦りを感じない。声も出ている。応援の父母たちにも何故か暗い様子を感じない。一気に二本も取られてしまったからなのか?そうではなかった!。父母たちは、心を一つにしようとしている、そうに違いない。必ずこの応援が爆発する時がくる!。
18分、その時は来た。敵陣22(メータ)mで得たPKを冷静にタッチへ蹴った。ゴール前10(メータ)mほどの位置でのラインアウトを見事にキャッチ。モールの軸のキャプテン 8の一声はFWを一つの塊にした。「押せー!」見事なドライブだ!FL 7がインゴールに押さえてトライを奪った!。迎え風のしかも難しい角度のゴールをCTB
12が見事に決めて見せた!。「よーし!。いいぞー!。」
( 7 対 14 )。
この2点はチームを勇気ずける。ワンチャンス圏内にいるか、そうでないかは次のプレーに影響が出る。このゴールは必ず好影響をもたらすとその時に思った。しかしこのゴールはもっと凄い存在となる。
22分、自陣10(メータ)mと22(メータ)mの中間付近でのルーズボールへいち早く動いた流経柏は、即BSに展開した。CTB 13のうまいパスを受けたWTB 14は、HL付近から左サイドを一気に抜け出した。50(メータ)m近いロングゲインから敵ゴール直前まで迫った。できたラックに正智(ショウチ)は戻りきれずオフサイドを犯した。このPKをタッチへ。そしてラインアウトからまたしてもモールは押し込まれた。「押せ、押せ、押せー!」応援の父母たちの声が一つになった。
父母会のOBも多数きてくれて声を現役父母と合わせてくれている。校長先生の声も聞こえたように思った。一つの生き物になったFWは、見事なコントロールを見せながらトライを奪った!
( 12 対 14 )。
「よーし!。」「ここからだぞー!。」前半残り2分くらいだ。ここをキチンと行けよー!と思った時、正智(ショウチ)は戦い方のコツというか、勝負に必要な切り替えを見せた。
26分、インジュアリータイムである。自陣15(メータ)m付近で与えたPKをタッチに蹴らず、チョン蹴りから仕掛けてきた。FWがサイド攻撃、ラックからすかさずBSへ展開されトライを許した。ゴールも決められた。
( 12 対 21 )。
このトライはさすがだ。ゲームにおける勝負どころを良く知っているなと感心させらてしまった。しかし、「このトライはチョッと悔しいぞ!。」
ここでハーフタイムである。「9点差かー」しかし、後半は風上である。前半をプラン通りに戦ったと言うこともできる。2点差ならば上出来だったと言うことだと思いながら、この9点差をどう跳ね返すかに想いを馳せた。
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後半が始まった。
流経柏のキックオフボールは風下の正智(ショウチ)FWへ蹴りこまれた。前半の再現のごとくキャッチャーはノックオン。
「よーし!。一気にチャンスがくる!。」と思った。
1分、敵陣ゴール前20(メータ)m右サイドのマイ・ボールスクラムから 8はサイドを突破した。相手BSのディフェンスラインを後ろに動かしたプレーからいいタイミングで順目にBSへ展開だ。後半から出場のWTB
22はラストパスを受けると10(メータ)m走りきって見事なトライを奪った!
( 17 対 21 )。ゴールは成らなかったが、応援の父母たちから「ドンマイ!。」の声が出た。
こういう状況になると、応援の父母たちは一気に走り出す!。選手も行く!。流経柏は完全にペースを掴んだ。敵陣深く攻め込んでの攻撃が続く。
6分、敵陣ゴール前15(メータ)mのマイボールラインアウトからモールをドライブした。コントロールされているが故の正智(ショウチ)のオフサイドとコラプシングが多発した。レフリーは正智(ショウチ)のキャプテンに注意を与えている。再度のPKからラインアウト、モールを押し込んだ。FL
7がゴールに飛び込んでトライだ!。ゴール成功!。
( 24 対 21 )。
ついに逆転だ!。
「たたみかけだー!。」「たたみかけろー!。」
この後の一本のトライが必要なんだー!しかし、正智(ショウチ)は見事な反撃に出た。
12分、自陣ゴール前10(メータ)m中央のラックのサイドを抜かれた。トライを許してしまった。ゴールも決められた。
( 24 対 28 )。
再逆転である。しかし、流経柏はビシビシとタックルを決めている。トンガの 8に全員が決死のタックルに入っていく。胸が熱くなった。「勝つ!。」「こいつらは絶対に勝つ!。」
15分、敵陣22(メータ)m左サイドの正智(ショウチ)ボールラックから、後半出場のSH 20がうまく拾って相手FWの裏へ出た。判断良く15(メータ)m走りきって見事なトライを決めた!。
( 29 対 28 )。
またもや逆転だ!「ここだー!。」「たたみかけろー!。」
流経柏は後半の風上を利して、キックで敵陣深く攻め込んでいる。
20分、PKからタッチ、敵陣ゴール前10(メータ)mのラインアウトからモールはドライブされた。正智(ショウチ)は後半開始時に犯したオフサイドとコラプシングをここでも犯した。レフリーは、この試合二回目の注意をキャプテンに与えた。そして再度のPKから流経柏はモールを押し込んだ。そしてモールはまたもや崩された。レフリーのアドバンテージを告げる右手が水平に上がった。流経柏の攻撃が止まると同時に、レフリーはインゴール中央にて右手を垂直に伸ばして長い笛を吹いた。「認定トライ」である。正智(ショウチ)の度重なるPKがなければ当然トライであったという判断である。
ラグビーというスポーツのレフリーは「裁く。」ことを目的として存在していない。「反則をするなよ。」と試合中に選手たちに話しかけている、そういう存在なのである。紳士のスポーツたる所以はここにある。アドバンテージを大切にするスポーツなのである。
正智(ショウチ)FWを相手に見事な、そして凄まじい、そして歴史に残るトライである!。見事に正智(ショウチ)FWを粉砕してみせた!。
ゴール成功!
( 36 対 28 )。
試合は残り時間あと5分あるかないかである。この時点での8点差、前半18分の初トライ後のあの難しいゴールが決まっていなければ6点差である。この2点がお互いにとってどう影響がでるか?。あのゴールは本当に凄い存在となったのである。
ゲームはロスタイムはあると思われるが既に27分を過ぎた。正智(ショウチ)は渾身の力を振り絞って流経柏陣に攻め込んでいる。
「耐えろー!。」「耐えてくれー!。」の悲鳴に近い応援がスタンドに充満した。
「獲られて、試合を終わりたくない!。」そう思った。
29分、自陣ゴール前に釘付けとなっている。しかし「耐えた!。」正智必死の反撃にミスが出た。「ノックオン。」である。
レフリーの平林氏の両手が上がると共に、ノーサイドを告げる笛が高らかに鳴った。
「やったー!。」「勝ったぞー!。」拍手が鳴りやまない。
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両チームの挨拶のあと、流経柏の戦士たちは応援のスタンドに走り寄ってきた。どの顔も満面の笑みである。
「おめでとうー!。」「ナイスゲームだ!。」「良くやったぞー!。」
勝利の喜びと、流経柏のプライドを背負った戦士たちの後ろ姿に、拍手は鳴りやまなかった。
関東新人大会のリベンジは、見事に成った!。後半最後の猛烈な正智(ショウチ)の攻撃を見事に耐えてみせたことに、このチームの真のプライドを感じる。父母たちは、試合後互いにキツイ握手を交わしながら健闘を讃え合った。そして明日の決勝の相手が「清真学園」であることを確認した。
昨年の「花園」のリベンジ・・・そう思った。
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